点電荷による電位の表現 点電荷が位置r0に電荷量q0で分布している時、点rにおける電界E(r)は、
q0 | r−r0 | 〔N/C〕 | |
で与えられることを以前に示した。
今、grad(1/|r−r0|)を計算する。数学で述べたように、
1 | −1 | r−r0 | ||
となるので、置き換えれば、
q0 | 1 | q0 | 〔N/C〕 | |||
E=−gradφと比較すれば、
q0 | ||
とかける。|r|→∞でφ→0とすれば、φ0=0である。このときφの基準(φ=0)は、無限の遠方にある。 断りが無ければ電位の基準は無限遠にあり、
q0 | 〔V〕 | |
複数の点電荷による電位の表現
複数の点電荷が(位置riに電荷量qiで)分布している時、点rにおける電界E(r)は、
以前に述べたように
Σ i | qi | r−ri | 〔N/C〕 ・・・(1) | |
となる。先程と同様にgrad(1/|r−ri|) を計算すると数学で述べたように、
1 | −1 | r−ri | ||
となるので、置き換えれば、(1)式は、
Σ i | qi | 1 | Σ i | qi | |||
E=−gradφと比較すれば、
Σ i | qi | ||
|r|→∞でφ→0とすれば、φ0=0である。このときφの基準(φ=0)は、無限の遠方にある。断りが無ければ電位の基準は無限遠にあり、
Σ i | qi | ||
和の一つ一つの項は、i番目の電荷による電位を与えている。すなわち、複数の点電荷による電位は、それぞれの電荷による電位の和で与えられる。
連続的に分布した電荷による電位の表現
電界と同様に、連続した電荷を小さく分けて点電荷とみなしてたせば良い。先程の結果を利用すれば、点Rにおける電位φ(R)はそれぞれ、
線状に分布している場合には、
電荷が線密度λ(r)で分布している時には、電界の時と同様に和(Σ)が積分におきかわって、
∫ | λd L | ||
面状に分布している場合には、
電荷が面密度σ(r)で分布している時には、電界の時と同様に和(Σ)が積分におきかわって、
∫ | σd S | ||
体積状(三次元的)に分布している場合には、
電荷が体積密度ρ(r)で分布している時には、電界の時と同様に和(Σ)が積分におきかわって、
∫ | ρd V | ||
ポアソンの方程式
さて、ガウスの定理より、divE=ρ/ε0 である。また、電位と電界とは、E=−gradφ の関係にある。E=−gradφ を始めの式に代入するとdiv(−gradφ)=ρ/ε0 となる。
或は、
微分演算子を括りだせば、
とかける。演算子△(=∇2)はラプラシアンと言う。このとき、電位と電荷密度とは、
△φ=−ρ/ε0、(∇2φ=−ρ/ε0)なる関係があることが分かる。これをポアソン方程式と言う。
△φはφの位置に関する2階微分をあらわす。2階微分はふくらみ(一次元では、曲線の凹凸)をあらわす(正ならへこみ、負ならふくらみをあらわす)ことから、
ポアソンの方程式は、正電荷の存在する場所では電気力線のわきだしにより’電位に相当する何物かが(等電位面ではない)がふくらみ’、
負電荷の存在する場所では電気力線の吸い込まれにより’電位に相当する何物かが窪む’というようなことをあらわす。
(二次元で考えれば、・・・水の中で上を向けてホースから水を出すと水面が盛り上がる。’水面の高さを表す関数’のラプラシアンは、
水面の盛り上がり具合をあらわす。水の湧き出ている所では、水面は盛り上がる。すなわち、水面の高さ(ポテンシャル)のラプラシアンは、
その点におけるポテンシャルを決定する’何物か’の湧きだしの程度(そこでの水の湧きだし量)を表す。
器の底を抜いて水を抜くときには、水面は窪む。窪みは’何物か’の消滅を表す。
ラプラシアンが正なら窪み(消滅)の程度、負なら脹らみ(湧きだし、生成)の程度を表す。
二次元(三次元)では、実際には今述べたような簡単な解釈ができる場合は希で、馬の鞍のようにある方向には膨らみある方向にはへこむような場合もあり、
単純ではない。)