このページは、 Saturday, 21-Mar-1998 11:09:14 JSTに更新されました。
このページは、’後藤 英雄@電気電子システム工学科 中部大学’が作成しています。
質問、連絡は、後藤@電気電子システム工学科へお願いします。

影像電荷を利用した電界等の計算(電気影像法)−−−平面導体と平行な直線帯電体


右の図のように(真空中で)接地された導体平面から距離hの高さに断面の半径Rの直線導体がある。h》Rとしたとき、 直線導体に単位長さ辺りλの電荷を与えたとき直線導体に働く単位長さ辺りの力と平面導体に誘起される電荷を求める。 導体平面と直線導体間の単位長さ辺りの静電容量を求める。

この場合の影像電荷は、断面の半径R、間隔2hで平行な直線導体を考え、この直線導体に逆の電荷(−λ)を与えれば良い。
 (h》Rであるから、平面導体に誘起された電荷によって誘起される直線導体上の電荷は無視する。)

 

直線導体に働く単位長さ辺りの力を求める

 ’97 1/9レポートで求めたように、直線導体間の電位差Vは、(レポートにおいて、R1=R2=R、d=2hとおいて)

  V=λ/πε0*log(2h/R)

単位長さ辺りの静電エネルギーwは、

  w=λV/2=λ2/2πε0*log(2h/R)

ゆえに単位長さ辺りの力fは、離れる方向を正にして、

  f=−∂w/∂h=−λ2/2πε0

単位長さ辺りの大きさ λ2/2πε0h で、引き合う方向に働く。

 

導体平面に誘起される電荷を求める

導体表面において、直線導体と影像電荷で想定された直線帯電体とを含む面導体平面との交点で与えられる直線からの距離をrとすると、 導体表面での電界は、直線導体に垂直な二次元成分しか存在しないので、 導体平面に垂直な成分Elと導体平面に水平な成分Etだけを考える。

t=λ/2πε0(r2+h21/2 *r/(r2+h21/2   −λ/2πε0(r2+h21/2 *r/(r2+h21/2
  =0 (この(水平)成分は、影像電荷を想定したことによって、’0’であるから、初めから以下の垂直成分(El)だけを考えてもよい。)

l=λ/2πε0(r2+h21/2 *(−h)/(r2+h21/2   −λ/2πε0(r2+h21/2 *h/(r2+h21/2
  =−λ/πε0*h/(r2+h2) 電束蜜度の垂直成分が導体表面の面電荷密度と等しいので、面電荷密度σは、

σ=Dl=ε0l=−λ/π*h/(r2+h2

 

導体平面と直線導体間の単位長さ辺りの静電容量を求める。

直線導体と影像電荷で想定された直線帯電体との間の電位差Vは、先に求めたように

V=λ/πε0*log(2h/R)

ゆえに単位長さ辺りの静電容量CLは、

L=V/λ=1/πε0*log(2h/R)


これでこの項目は終わり

EL新入生電気磁気学Iのページ

電気磁気学IA要点のコーナーへ戻る

電気磁気学IAへ戻る

電気磁気学I要点のコーナーへ