このページは、 Tuesday, 20-May-2003 22:54:32 JSTに更新されました。
このページは、’後藤 英雄@電気電子システム工学科 中部大学’が作成しています。
質問、連絡は、後藤@電気電子システム工学科へお願いします。

電荷が連続的に分布しているときの電界の計算例 面積分

 

電界の積分による表現において一般的な表式を示した。一般には、電界を求めることは、難しいが 特殊な場合には、求めることが出来る。ここでは、面積分で求める。

無限の広がりを持つ厚さを無視出来る平面上に均一に面電荷密度(σ〔C/m〕)で電荷が分布する場合、平面の上方H〔m〕(点H) での電界を求める。


 Hから平面におろした垂線の足をxyz座標の原点として、Hにむかってz軸をとる。電荷の分布する平面はxy平面で与えられる。 原点からの距離rとxy平面上でのx軸からの角度φを変数に選んで、xy平面上の点をあらわせば、r,φにより点(x,y)は、 x=rcosφ,y=rsinφとかける。変数rとφによって作られる微小平面の面積はrd φd rとなる。 この微小平面内の電荷を点電荷とみなしてHにできる電界d は、電荷量がσrd φd rであるので、

 d (φ)=σrd φd (−rcosφ,−rsinφ,H)  ・・・(1)


4πε(r+H(r+H1/2

と表現される。

,E,Eは、r:0〜∞,φ:0〜2πを積分領域として、それぞれの成分を積分すれば得られる。
2π2π
 E =d  =−σrcosφd φd    ・・・(2)

4πε(r+H3/2
r=0φ=0r=0φ=0


 E=0  〔N/C〕  ・・・・(2’)

cosφの一周期にわたる積分であるから式(2)の値は’0’になる。
同様にEも計算されて、sinφの一周期にわたる積分であるから’0’になる。

2π2π
 E =d  =−σrsinφd φd    ・・・(3)

4πε(r+H3/2
r=0φ=0r=0φ=0


 E=0  〔N/C〕  ・・・・(3’)

は、φに関しては被積分関数が定数であるので、簡単に計算される。

2π2π
 E =d  =σrHd φd    ・・・(4)

4πε(r+H3/2
r=0φ=0r=0φ=0


     =σHrd r   ・・・(4’)

2ε(r+H3/2
r=0

 式(4’)で、r+H → t の様な変数変換をして積分すれば容易に積分値は求まって、

   E= σ


 〔N/C〕  ・・・(4”)
2ε|H|

 r,φで与えられる点(rcosφ,rsinφ)において中心軸に対して反対方向の点(rcos(φ+π),rsin(φ+π))の電荷による電界を考えると、 両者によって電界のxy成分は打ち消される。総ての平面上の点電荷に対して、同様に打ち消されるので、電界のx成分,y成分は’0’となる。 (このような考察を行なえば、始めから電界のx成分,y成分は’0’としてよいことが分かる。)


電界は、面に垂直な方向で、面から外に向かう(電荷が負なら内に向かう)方向になる。電界の大きさ(σ/2ε〔N/C〕)は面からの距離には依存しない。電界を図示する。


これでこの項目は終わり

EL新入生電気磁気学Iのページ

電気磁気学IA要点のコーナーへ戻る

電気磁気学IAへ戻る

電気磁気学I要点のコーナーへ