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'97 11/26 レポート


T 厚さ T(m) の無限に広がる平面状に電荷密度 ρ(C/m3) で一様に電荷が分布している。以下の問いに答えよ。
@ 任意の点において、電界はどちらを向いているか?
A @を参考にして適当に座標を設定して、任意の点における電界を(ベクトルとして)求めよ。
B Aにおいて、ρT=σ(一定)として、T→0にしたとき、電界分布はどのようになるか? 
C Bの分布をグラフにより表現せよ。

解答例
@ 分布する電荷を細かく空間的に刻んで、刻んだそれぞれの空間に存在する電荷を点電荷と見なせば、電界は、それぞれの点電荷の作る電界の合成で与えられる。 いま、細かく刻んだ平面内のある電荷に注目すれば、その電荷に対して軸対照な点の電荷を考えるとこの二つの電荷による合成電界は平面に垂直になる。 平面内のすべての電荷に対してこのような電荷のペアを考えることができることを考慮すれば、平面内のすべての電荷による電界の方向は、 電荷の分布する平面に垂直な方向になることが分かる。

A’96 11/11 レポートを参考にして、平面に垂直な方向にz軸の方向を定め、z=0の位置を平面の厚さ方向の中心にとれば、 x,y平面はz=0で表されて電荷の分布する平面に平行になる。この座標を用いれば、電界はz軸方向成分Ezのみが0でない値をとる。
z=ρz/2ε0 (|z|T/2),Ez=ρT/2ε0*z/|z| (T/2|z|)
ベクトルとして表せば、
=(0,0,ρz/2ε0) (|z|T/2)
=(0,0,ρT/2ε0*z/|z|) (T/2<|z|)
または、z軸の正に向かう単位ベクトルをzとすれば、
=ρz/2ε0*z (|z|T/2)
=ρT/2ε0*z/|z|*z (T/2<|z|)
これをグラフで表せば、青線のようになる。

BρT=σ(一定)であることを考慮して上の式を書き直せば、(この条件では、ρはρ=σ/T であるから ∞ になる。)
=(0,0,ρz/2ε0) (|z|T/2→0) これで表現されるzの領域は、限りなく狭くなり、 z=0を除くすべての領域が次の式で表現されることになる。
=(0,0,ρT/2ε0*z/|z|)=(0,0,σ/2ε0*z/|z|)(0<|z|)
別の表現をすれば、
=(0,0,σ/2ε0) (0<z)
=(0,0,−σ/2ε0) (z<0)
または
=σ/2ε0*z/|z|*z (z≠0)

Cグラフは右に赤線によって示してある。

U 面密度σ1(C/m2)の無限に広がる平面と面密度σ2の無限に広がる平面が平行に間隔d(m)で存在している。以下の問いに答えよ。
@ 任意の点において、電界はどちらを向いているか?
A @を参考にして適当に座標を設定して、任意の点における電界を(ベクトルとして)求めよ。
B Aの電界分布をグラフにより表現せよ。
C Aにおいて、σ1=−σ2=σとすると、電界分布はどの様になるか。
D Cの電界分布をグラフにより表現せよ。

解答例
@要点のコーナー7−3(あるいは、本ページのT−@)を参考にすれば、無限に広がる帯電平面に垂直な方向になることがわかる。
AB要点のコーナー12−1と同様にして求めることができる。
CD’96 11/11レポートと同様の解答になる。


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