このページは、 Thursday, 18-Dec-2003 20:59:00 JSTに更新されました。
このページは、’後藤 英雄@電気電子システム工学科 中部大学’が作成しています。
質問、連絡は、後藤@電気電子システム工学科へお願いします。

'03 11/27 レポート


 以下の問題について媒質内部と媒質外部の電界と電束密度を図示して回答せよ。

 一様な電界E〔V/m〕のある空間に電界に垂直に十分に広い厚さt〔m〕の比誘電率εの誘電媒質を入れた。
@ 誘電媒質内の電界Eを求めよ。
前回のレポートを参考にする。
界面に垂直な方向の電束密度Dは、不変である。
D=εE=εεであるから、
 E
ε


A 誘電媒質両側間の電位差を求めよ。
 V = Et =Et
ε
〔V〕


B 誘電媒質内部の電束密度D〔C/m〕と誘電媒質外部の電束密度Dを求めよ。
 D=D=εE 〔C/m

C @とAにおいて、E=1000〔V/m〕、比誘電率ε=3のときそれぞれの値を求めよ。
 E=333〔V/m〕
 V=333t〔V〕

U 面積S〔m〕、厚さt〔m〕の比誘電率εの誘電媒質の両側に金属膜をつけた。
@ 金属膜を電極としてV〔V〕の電圧を印加した。誘電媒質内の電界を求めよ。
電界Eは、 E=
〔V〕


A @で、誘電媒質内の電束密度を求めよ。
電束密度Dは、 D = εεE = εε
〔V〕


B Aで金属膜に蓄積した電荷Qを求めよ。
面積がSであるので、
電荷Qは、 Q=DS = εεES = εε
〔V〕

C QとVの比を求めよ。
QとVの比C(静電容量)は、C=
 = εε

D V=100〔V〕、t=0.1〔mm〕、S=1〔m〕、比誘電率ε=3のとき、@〜Cそれぞれの値を求めよ。
 E=10〔V/m〕
 D=2.7×10−5〔C/m
 Q=2.7×10−5〔C〕
 C=2700〔nF〕

V 厚さt〔m〕の比誘電率εr1の誘電媒質と厚さt〔m〕の比誘電率εr2の誘電媒質 を重ねて面積S〔m〕の一つの誘電媒質として、両側に金属膜をつけた。
@ 金属膜に電荷を印加したら、金属膜にQ〔C〕の電荷が蓄積した。誘電媒質内の電束密度を求めよ。
電束密度は、保存するので
  D=

A @で、誘電媒質内の電界を求めよ。
電界は電束密度から次のように与えられる。
媒質1の電界Eについて
  E
εεr1

εεr1

媒質2の電界Eについて
  E
εεr2

εεr2

B Aで金属膜に印加した電圧Vを電荷Qで表せ。
媒質1の電圧Vと媒質2の電圧Vを足せばいいので、
  V=V+V=E+E
     =Qt
εεr1
Qt
εεr2

C QとVの比を求めよ。

= C =


εεr1

εεr2

W 半径R〔m〕の円柱状導体(内側導体)と筒の肉厚t〔m〕の内半径R+T〔m〕の円筒状導体(外側導体)を同軸状に配置して同軸線とした。 内側導体と外側導体の間は、比誘電率εの媒質で満たされている。
@ 内側導体に、単位長さあたりλ〔C/m〕の電荷を与えた。任意の点における電束密度を求めよ。
 中心軸からの距離をr〔m〕とする。電束密度に対してガウスの定理を使えば、
  D=λ
2πr
(R<r<R+T)
   上記以外では、D=0
A @において、外側円筒導体の外側表面を接地したときの、任意の点における電界と電位を求めよ。
 電束密度が分かっているので、D=εεE なる関係を利用する。
  E=λ
2πεε
(R<r<R+T)
   上記以外では、E=0
電位Vは、外側円筒が接地されていることを考慮すれば、
  V=0 (R+T<r)
  V=λ
2πεε
logR+T
 (R<r<R+T)
  V=λ
2πεε
logR+T
 (r<R)

B Aにおいて、内側導体(円柱状導体)の中心軸からの距離をr〔m〕として、電束密度、電界、電位をグラフで表せ。
  省略

C Aにおいて、外側導体の外側表面を接地した。内側導体と外側導体にはどの様に電荷は分布するか。
  内側導体の表面に一様にλ〔C/m〕の電荷が分布する。(単位面積当たり、λ
2πR
〔C/m〕)
  外側導体の内側表面に一様に−λ〔C/m〕の電荷が分布する。(単位面積当たり、−λ
2π(R+T)
〔C/m〕)

D Bにおいて、内側導体と外側導体の間の単位長さ当たりの静電容量を求めよ。
λ
= C =2πεε 〔F/m〕

logR+T

E Dにおいて、R=1〔mm〕、T=2〔mm〕、t=0.1〔mm〕、ε=2のとき、単位長さ当たりの静電容量を求めよ。
 上で求めた式に値を代入して、101pF
 


これでこの項目は終わり

電気磁気学IAレポートの一覧へ戻る

電気磁気学IAへ戻る

電気磁気学(IA+IB)レポートの一覧へ戻る

電気磁気学(IA+IB)へ戻る