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'04 12/9 レポートの解説


I 真空中に充分長い半径R〔m〕の円柱導体1と内半径R〔m〕で筒の肉厚t〔m〕の円筒導体2が同軸状に配置されている。 以下の問いに答えよ。(R<Rとする。)必要な座標は各自で設定せよ。

 @ 円筒導体2の外側表面を接地して、円柱導体1に単位長さ当たりλ〔C/m〕の電荷を与えた。 円筒導体2に分布する電荷を求めよ。

円筒導体2について−−−
導体では、電荷は表面に分布し、導体内部には電界は存在しない。円筒導体の内側表面のごく内側での電界が、λ/2πεであることを考慮して、円筒導体の内側表面を挟んでガウスの定理を用いれば、円筒導体の内側表面には、−λ/2πR〔C/m2〕の電荷が分布することが導かれる。円筒導体の外側表面は、接地されており、電位は'0'である。無限の遠方でも電位は'0'であるから、円筒導体の外側表面には電荷は分布しない。

 A @において、円柱導体1の中心軸からの距離r〔m〕における電界の大きさを求めよ。

同軸の中心を中心として、半径r、高さHの円柱閉曲面でガウスの定理を使えば、
r<R、R<rのとき  E=0 〔V/m〕
<r<R のとき  E=λ

2πε
〔V/m〕 (電界は外向きを正とした)

 B @において、円柱導体1の中心軸からの距離R〔m〕における電位を求めよ。

電位φ=

r=R
−Ed

   =0 〔V〕 (R2<R)
   =λ

2πε
log

 〔V〕 (R<R<R
   =λ

2πε
log

 〔V〕 (R<R

C Bにおいて、円柱導体1と円筒導体2の間の単位長さ当たりの静電容量を求めよ。

電位差φがλ/2πε*log(R/R) であるから単位長さあたりの静電容量Cは、
 C=λ/φ=2πεlog(R/R) 〔F/m〕

 D R=2.2〔mm〕、R=6〔mm〕、t=0.1〔mm〕とする。 単位長さ当たりの静電容量はいくらか。 ( ただし、loge(3/1.1)=1、ε=8.854×10−12〔F/m〕として計算してもよい。)

Cを参考にして、
 C=2πεlog(R/R) =2π×8.854×10−12=5.6×10−11 〔F/m〕
 =56〔pF/m〕

II 真空中に距離d〔m〕を隔てて面積S〔m〕の導体板1,2が平行にある。以下の問に答えよ。(面間隔に比べて面は十分に広いとする。)
@ 導体板1を接地して、導体板2に電圧V〔V〕を印加した。導体板間の電界を求めよ。
A 静電容量を求めよ。
B @で、導体板2に蓄えられる電荷を求めよ。
C @で、電気力線を描け。


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