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2回目 レポートの解説
1. 点A(xA,yA,zA)〔m〕にQA〔C〕、
点B(xB,yB,zB)〔m〕にQB〔C〕の点電荷がある。以下の問いに答えよ。
@ 点R(xR,yR,zR)〔m〕における電界を求めよ。
A QA=1〔C〕、QB=0〔C〕、点Aが原点にある。点Rが次の各点で与えられるとき、それぞれの点での電界を求め、電界をベクトルで表せ。
(1,0,0)、(0,1,0)、(2,0,0)、(1,1,0)、(0,2,0)〔m〕
B Aで、点Rに2×10−9〔C〕の電荷がある。それぞれの点Rにおける電荷に働く力を求めよ。
C Aで、点Rに−1×10−9〔C〕の電荷がある。それぞれの点Rにおける電荷に働く力を求めよ。
D QA=1〔C〕、QB=−1〔C〕、点A(1,0,0)〔m〕、点B(−1,0,0)〔m〕とする。
点Rが次の各点で与えられるとき、それぞれの点での電界を求め、電界をベクトルで表せ。
(1,0,0)、(0,1,0)、(2,0,0)、(1,1,0)、(0,2,0)〔m〕
E Dで、点Rに2×10−9〔C〕の電荷がある。それぞれの点Rにおける電荷に働く力を求めよ。
F Dで、点Rに−1×10−9〔C〕の電荷がある。それぞれの点Rにおける電荷に働く力を求めよ。
解答例
@ 要点のコーナーで指摘したように、複数の点電荷による電界は、個々の点電荷による電界のベクトルの合成で与えられる。
点Aの位置ベクトルをrA,点Bの位置ベクトルをrB,点Rの位置ベクトルをrRとおけば、
E(rR)= | QA(rR−rA) |
+ | QB(rR−rB) |
|
| 〔N/C〕 |
4πε0|rR−rA|3 | 4πε0|rR−rB|3 |
ベクトルに対応する座標を代入すれば、成分での表現になる。成分はそれぞれ、
rR−rA=(xR−xA,yR−yA,zR−zA)
rR−rB=(xR−xB,yR−yB,zR−zB)
A 上の結果において、QA=1,QB=0、(xA,yA,zA)=(0,0,0)を代入すれば、点R(rR=(xR,yR,zR))における電界E(rR)は、次のように表される。
E(rR)= | 1 | (xR,yR,zR) |
| 〔N/C〕 |
4πε0(xR2+yR2+zR2)3/2 |
この式のrR(=xR,yR,zR)に、それぞれの点の座標を代入する。
E(1,0,0)= | 1 | (1,0,0) |
| 〔N/C〕 (=(9×109,0,0) 〔N/C〕) |
4πε0 |
E(0,1,0)= | 1 | (0,1,0) |
| 〔N/C〕 (=(0,9×109,0) 〔N/C〕) |
4πε0 |
E(2,0,0)= | 1 | (1,0,0) |
| 〔N/C〕 (=(2.25×109,0,0) 〔N/C〕) |
16πε0 |
E(1,1,0)= | 1 | (2−1/2,2−1/2,0) |
| 〔N/C〕 (=(3.18×109,3.18×109,0) 〔N/C〕) |
8πε0 |
E(0,2,0)= | 1 | (0,1,0) |
| 〔N/C〕 (=(0,2.25×109,0) 〔N/C〕) |
16πε0 |
図示すると右図のようになる
B Aで得た電界に点Rにある電荷(2×10−9〔C〕)をかければ、力が求まる。
F(1,0,0)=(18,0,0) 〔N〕
F(0,1,0)=(0,18,0) 〔N〕
F(2,0,0)=(4.5,0,0) 〔N〕
F(1,1,0)=(6.36,6.36,0) 〔N〕
F(0,2,0)=(0,4.5,0) 〔N〕
C Aで得た電界に点Rにある電荷(−1×10−9〔C〕)をかければ、力が求まる。
F(1,0,0)=(−9,0,0) 〔N〕
F(0,1,0)=(0,−9,0) 〔N〕
F(2,0,0)=(−2.25,0,0) 〔N〕
F(1,1,0)=(−3.18,−3.18,0) 〔N〕
F(0,2,0)=(0,−2.25,0) 〔N〕
D @の結果において、QA=1,QB=−1、(xA,yA,zA)=(1,0,0)、
(xB,yB,zB)=(−1,0,0)を代入すれば、
点R(rR=(xR,yR,zR))における電界E(rR)は、次のように表される。
E(rR)= | (xR−1,yR,zR) |
+ | −(xR+1,yR,zR) |
|
| 〔N/C〕 |
4πε0((xR−1)2+yR2+zR2)3/2 | 4πε0((xR+1)2+yR2+zR2)3/2 |
各点を代入する
参考:
(1,0,0)の位置は、A点の点電荷と同じ位置になっている。点電荷のある場所では、(当然のことながら、)電界の式の分母が発散する。
すでに電荷のある点では、電界は定義されない。(ある点での電荷密度を体積密度で表したとき’発散する場合’には、その点では、電界は定義されない。)
(0,1,0):
E(0,1,0)= | 1 | (−2,0,0) |
| 〔N/C〕 (=(−6.4×109,0,0) 〔N/C〕) |
4πε023/2 |
(2,0,0):
E(2,0,0)= | 1 | (8/9,0,0) |
| 〔N/C〕 (=(8×109,0,0) 〔N/C〕) |
4πε0 |
(1,1,0):
E(1,1,0)= | 1 | (−2/53/2,1−5−3/2,0) |
| 〔N/C〕 (=(−1.6×109,8.2×109,0) 〔N/C〕) |
4πε0 |
(0,2,0):
E(0,2,0)= | 1 | (−2,0,0) |
| 〔N/C〕 (=(−1.6×109,0,0) 〔N/C〕) |
4πε053/2 |
図示すると右図のようになる(電界合成の例も併せて示す)
E Dで得た電界に、電荷2×10−9〔C〕をかければ、力が得られる。
点(1,0,0)には、すでに電荷があり、電界が与えられない(発散する)ので、力は求められない。(同じ場所に複数の点電荷は存在できない。)
F(0,1,0)=(−12.8,0,0) 〔N〕
F(2,0,0)=(16.0,0,0) 〔N〕
F(1,1,0)=(−3.2,16.4,0) 〔N〕
F(0,2,0)=(−3.2,0,0) 〔N〕
F Dで得た電界に、電荷−1×10−9〔C〕をかければ、力が得られる。
点(1,0,0)には、すでに電荷があり、電界が与えられない(発散する)ので、力は求められない。(同じ場所に複数の点電荷は存在できない。)
F(0,1,0)=(6.4,0,0) 〔N〕
F(2,0,0)=(−8,0,0) 〔N〕
F(1,1,0)=(1.6,−8.2,0) 〔N〕
F(0,2,0)=(1.6,0,0) 〔N〕
2.(3,0,0)〔m〕に−2〔C〕、(−3,0,0)〔m〕に2〔C〕の点電荷がある。次の各点における電界を求め図で表せ。
(0,0,0),(0,±1,0),(±1,0,0),(0,±2,0),(±2,0,0),(±1,±1,0),(±2,±2,0)〔m〕
解答例
(0,0,0),(0,1,0),(1,0,0),(0,2,0),(2,0,0),(1,1,0),(2,2,0)の各点の電界を求める。(残りの点は、省略する)
E(0,0,0)= | 0.44 | (1,0,0) |
| 〔N/C〕 |
4πε0 |
E(0,1,0)= | 0.38 | (1,0,0) |
| 〔N/C〕 |
4πε0 |
E(1,0,0)= | 0.63 | (1,0,0) |
| 〔N/C〕 |
4πε0 |
E(0,2,0)= | 0.26 | (1,0,0) |
| 〔N/C〕 |
4πε0 |
E(2,0,0)= | 2.08 | (1,0,0) |
| 〔N/C〕 |
4πε0 |
E(1,1,0)= | 0.51 | (0.91,−0.41,0) |
| 〔N/C〕 |
4πε0 |
E(2,2,0)= | 0.63 | (0.80,−0.61,0) |
| 〔N/C〕 |
4πε0 |
図示すると右図のようになる(電界合成の例も併せて示す)
これでこの項目は終わり
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