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電気磁気学III 練習問題4 の解説

I 半径a〔m〕比透磁率μの無限長直線磁性体にコイルがn〔回/m〕で巻いてある。以下の問いに答えよ。
@ 図を書き電流と磁性体内の磁界の方向の関係を表せ。


A a=0.05〔m〕、n=100〔回/m〕、μ=1000とする。電流が1Aのとき、磁性体内の磁界を求めよ。
    磁界の大きさH=nIであるから、磁界Hは
     H=100x1=100〔A/m〕
B Aで、磁束密度を求めよ。
     B=μH=μμH=4πx10−7x1000x100=0.126〔T〕
C Bで、磁性体内を通る磁束を求めよ。
    断面積がπaであるから、磁束Φは、
     Φ=Bxπa=9.9x10−4〔Wb〕

II 半径a〔m〕比透磁率μの磁性体を半径b〔m〕のドーナツ状にし、コイルをN〔回〕巻いた。 コイルにI〔A〕の電流を流すとして、以下の問いに答えよ。ただし、a≪bとする。
@ 図を書き電流と磁性体内の磁界の方向の関係を表せ。
    省略
A 磁性体内の磁界をH〔AT/m〕として、コイルに流す電流との関係を求めよ。(ヒント:∫d =NI)
    磁性体内の周方向の磁界は一定である。磁界をHとすれば、H2πb=NIであるから、
     H=NI
2πb

B a=0.05〔m〕、b=0.5〔m〕、N=1000〔回〕、μ=1000とする。電流が1Aのとき、磁性体内の磁界を求めよ。
    Aの結果を参考にして、
     H=1000x1/2x0.5π=318〔A/m〕
C Bで、磁束密度を求めよ。
     B=μH=μμH=4πx10−7x1000x318=0.4〔T〕
D Aで、磁性体内を通る磁束と電流の関係を求めよ。
    磁性体の断面積をSとすれば、(S=πa
     Φ=BS=μμHπa=μμπaNI
2πb

III 半径a〔m〕比透磁率μの磁性体をt〔m〕のギャップを持つ半径b〔m〕のドーナツ状にしコイルをN〔回〕巻いた。 コイルにI〔A〕の電流を流すとして、以下の問いに答えよ。ただし、t≪a≪bとする。
@ 図を書き電流と磁性体内の磁界の方向の関係を表せ。
    省略
A 磁性体内の磁束密度をB〔T〕とする。ギャップでの磁束密度を求めよ。
    磁束密度は、磁性体内とギャップでは同じであるから、B〔T〕
B Aで、磁性体内及びギャップでの磁界をBを用いて表せ。
    磁性体内の磁界Hiは、
     Hi
μμ

    ギャップの磁界Hgapは、
     Hgap
μ

C Bで得た磁界とコイルに流す電流との関係を求めよ。(ヒント:∫d =NI)
    周回積分の関係を表せば、
     Hgapt+Hi2πb=NI
D Cで、a=0.05〔m〕、b=0.5〔m〕、t=0.005〔m〕、N=1000〔回〕、μ=1000とする。電流が1Aのとき、磁性体内の磁界を求めよ。
    磁束密度BをIで表せば、
     
μ
t+
μμ
2πb=NI
     H
μμ
NI
μt+2πb
=123〔A/m〕

E Dで、磁束密度を求めよ。
     B=μμNI
μt+2πb
=0.15〔T〕

F Cで、磁性体内を通る磁束と電流の関係を求めよ。
    断面積をSとおけば、(S=πa
     Φ=BS=μμπaNI
μt+2πb
〔Wb〕



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