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電気磁気学II (2007年度 秋学期) 練習問題5 の解説

I 半径a〔m〕比透磁率μの磁性体を半径b〔m〕のドーナツ状にし、コイルをN〔回〕巻いた。 コイルにI〔A〕の電流を流すとして、以下の問いに答えよ。ただし、a≪bとする。
@ 磁気抵抗R〔AT/Wb〕を求めよ。
   鉄心の断面積が、πa、長さが2πbであるから、
   R2πb
μμπa
〔AT/Wb〕

A 磁性体内の磁束をΦ〔Wb〕として、コイルに流す電流Iとの関係を求めよ
   Φ=NI
μμπaNI
2πb
〔Wb〕

B a=0.05〔m〕、b=0.5〔m〕、N=1000〔回〕、μ=1000とする。電流が1Aのとき、磁性体内の磁束を求めよ。
   値を入れて計算すれば、0.031Wb

C Aで、磁性体内の磁界を電流Iで表せ。
   磁束から求めれば、
   H=
μμ
Φ
μμπa
NI
2πb
〔AT/m〕
   (周回積分の関係を使えば、直接的に求まる(練習問題4のII-Aを参照))

D Bで、磁性体内の磁界を求めよ。
   値を入れて計算すれば、318〔AT/m〕

II 半径a〔m〕比透磁率μの磁性体をt〔m〕のギャップを持つ半径b〔m〕のドーナツ状にしコイルをN〔回〕巻いた。 コイルにI〔A〕の電流を流すとして、以下の問いに答えよ。ただし、t≪a≪bとする。
@ 磁気抵抗R〔AT/Wb〕を求めよ。
   磁性体部の経路長は、2πbであるから、磁性体部の磁気抵抗Rm1は、
   Rm12πb
μμπa
〔AT/Wb〕

   ギャップ部の幅は、tであるから、ギャップ部の磁気抵抗Rm2は、
   Rm2
μπa
〔AT/Wb〕

   磁路は、両者の直列であるので合成磁気抵抗Rは、
   鉄心の経路は、2πbであるから、鉄心部の磁気抵抗Rm1は、
   R=Rm1+Rm22πb+μ
μμπa
〔AT/Wb〕

A 磁性体内及びギャップでの磁束密度B〔Wb/m〕をIで表せ。
   磁束密度は、どちらも同じである。磁束Φが磁気抵抗によって、Φ=NI/R で与えられるので、磁束密度Bは、
   B=Φ
πa
NI
πa
μμNI
2πb+μ
〔Wb〕

B Aで、磁性体内及びギャップでの磁界H〔AT/m〕をIで表せ。
   磁性体内の磁界Hは、比透磁率がμであるから
   H
μμ
NI
2πb+μ
〔AT/m〕

   ギャップでの磁界Hは、比透磁率が1であるから
   H
μ
μNI
2πb+μ
〔AT/m〕

C a=0.05〔m〕、b=0.5〔m〕、t=0.005〔m〕、N=1000〔回〕、μ=1000とする。電流が1Aのとき、磁性体内および、ギャップでの磁界を求めよ。
   値を代入して、
     磁性体内の磁界 : H=1.23x10〔AT/m〕
     ギャップでの磁界: H=1.23x10〔AT/m〕

D Cで、磁性体内および、ギャップでの磁束密度を求めよ。
   Aを参考にして、値を代入する。
     B=0.15〔T〕

E ギャップで、対向する面に働く力を求めよ。
     磁気エネルギーをWとすると力Fは、
     F=−∂W

∂t
(NI)

2R
∂R

∂t
(NI)

2R


μπa
〔N〕



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