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電気回路II (2000年度 前期 本試験) 解答のコーナー

I
 右の回路について、以下の問いに答えよ。
 @ 電流 i(t)〔A〕を求めよ。
 A @において、電流 i(t)〔A〕の実効値Ι〔A〕を求めよ。
 B Aにおいて、=10〔V〕、=100*21/2〔V〕、 ω=100π〔rad/s〕、=10*21/2〔V〕、ω=300π〔rad/s〕、C=1000/π〔μF〕、 R=10〔Ω〕のとき、電流の実効値Ι〔A〕はいくらか。

解答
@ それぞれの電源による瞬時電流を足して、
 i=E/R*sin(ωt)+E/R*sin(ωt)−E/R〔A〕
A 実効値の2乗の和の1/2乗であるから、実効値Ι〔A〕は、
  Ι=((E/R)/2+(E/R)/2+(E/R)1/2
B 値を代入すれば、10.1〔A〕

II
 右の回路において、電源は対称三相交流電源で、電圧の正相分は〔V〕である。各相に〔Ω〕、 〔Ω〕、〔Ω〕なるインピーダンスがつながっている。以下の問いに答えよ。
 @ 各相電流ΙΙΙcとインピーダンスであらわせ。
 A @において、=100〔V〕、=10∠30o〔Ω〕、=10∠0o〔Ω〕、=10∠−30o〔Ω〕のとき、Ι〔A〕を求めよ。

解答
@ 各相電圧は、を用いて、 =E、 =a=aE  (ただし、a=exp(j2π/3)
 Y型接続の負荷を△型に変換して線間電流を求める。△型負荷に変換したときのアドミタンスは、
 ab=(1/Z)/(1/Z+1/Z+1/Z
 bc=(1/Z)/(1/Z+1/Z+1/Z
 ca=(1/Z)/(1/Z+1/Z+1/Z
△型負荷に対する線間電流は、
 Ιab=Yab(1−a)E
 Ιbc=Ybc(a−a)E
 Ιca=Yca(a−1)E
 相電流は、
 Ι=Ιab−Ιca=(Yab(1−a)−Yca(a−1))E〔A〕
 Ι=Ιbc−Ιab=(Ybc(a−a)−Yab(1−a))E〔A〕
 Ι=Ιca−Ιbc=(Yca(a−1)−Ybc(a−a))E〔A〕
A @を参考にして、
 ab=1/100∠−30o/(1/10*(1+31/2))=(1+31/2)/10∠−30o
 bc=1/100∠30o/(1/10*(1+31/2))=(1+31/2)/10∠30o
 −a=−j31/2、 1−a=3/2+j31/2/2=31/2(31/2/2+j/2)=31/2∠30o
 Ι=((1+31/2)/10∠30o*31/2∠−90o−(1+31/2)/10∠30o*31/2∠30o)*100
   =10(3+31/2)∠−60o−10(3+31/2)∠60o
   =−j10(33/2+3)〔A〕
   ≒−j82〔A〕

III
 インピーダンスZ〔Ω〕が次の式
 Z(ω)=jHω(ω−ω)/(ω−ω
で表される回路がある。以下の問いに答えよ。ただし、H>0、ω>ωである。
@ Z(ω)で表される周波数依存性を持つ回路を求めよ。
A H=10〔H〕、ω=1000〔rad/s〕、ω=1500〔rad/s〕である。@で表された回路の素子定数を示せ。

解答
@  Z(ω)=jHω(ω−ω)/(ω−ω
    =jHω(ω−ω+ω−ω)/(ω−ω
    =jHω+jHω(ω−ω)/(ω−ω
    =jHω+1/(ω/jHω(ω−ω)−ω/jHω(ω−ω))
    =jHω+1/(1/jHω(ω−ω)/ω+jω/H(ω−ω))

 回路は、第一項と第二項のインピーダンスの直列接続で表される。
 第一項は、H〔H〕のインダクタ’L、第二項は、H(ω−ω)/ω〔H〕のインダクタ’L1/H(ω−ω))〔F〕のキャパシタ’Cの並列接続である。
A  右に表される回路の素子定数
  : 10〔H〕
  : 12.5〔H〕
  : 0.08〔μF〕


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