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電気回路II (2001年度 後期 本試験) 解答のコーナー

I
 右の回路において、C=1〔μF〕、L=1〔mH〕、R=1〔Ω〕である。以下の問いに答えよ。
 @ E=10〔V〕、e(t)=10sin(500t)〔V〕のとき、電流 i(t)〔A〕を求めよ。
 A @において、電流 i(t)〔A〕の実効値Ι〔A〕を求めよ。
 B E=10〔V〕、e(t)=10sin(500t)+10sin(1500t)〔V〕のとき、電流 i(t)〔A〕を求めよ。
 C Bにおいて、電流 i(t)〔A〕の実効値Ι〔A〕を求めよ。

解答
@ それぞれの電源が単独にあるとして、定電圧電源Eによる電流と(単一の周波数からなる)交流電源e(t)による電流を加えればよい。

 による電流 : 10〔V〕で、抵抗のみの回路と見なせることを考慮して、10〔A〕
e(t)による電流 : 10sin(500t)〔V〕で、LRの直列回路とみなせることを考慮して、−8.9sin(500t−0.46)〔A〕
  i(t)=10−8.9sin(500t−0.46)〔A〕

A 実効値は各’実効値の自乗’の和の√であるから、11.8〔A〕

B 交流の電源が、複数の周波数成分を含むときは、それぞれの周波数成分ごとに単独の電源があると考えればよい。@の場合に10sin(1500t)〔V〕の電圧成分による電流を加えればよい。この成分による電流は、@での交流分と同様に考えれば、−5.5sin(1500t−0.98)〔A〕であるから
  i(t)=10−8.9sin(500t−0.46)−5.5sin(1500t−0.98)〔A〕

C Aと同様に考えて、12.4〔A〕

II
  右の回路について以下の問に答えよ。
@ AB間の電圧Vを求めよ。
A AB間に抵抗Rをつないだ。A→Bに流れる電流を求めよ。

解答
@電池の負極を基準として、A点、B点の電位はそれぞれ、(直列接続では、電圧が抵抗に比例配分されることを考慮して、)
 A点の電位 : 
+R
 B点の電位 : 
+R
であるから、電位差Vは、
 V=(
+R

+R
)E

A 鳳・テブナンの定理によれば、A→Bに流れる電流Iは、端子ABから見た抵抗をRとすれば、 I=V/(R+R で与えられる。ここで、
 R=
+R

+R
であるから、
 I=
+R

+R


+R

+R
+R

III
 インピーダンスZ〔Ω〕が次の式
  Z(ω)=jHω(ω−ω
(ω−ω

で表される回路がある。以下の問いに答えよ。ただし、H>0、ω>ωである。
@ Z(ω)で表される周波数依存性を持つ回路を求めよ。
A H=5〔H〕、ω=1000〔rad/s〕、ω=1500〔rad/s〕である。@で表された回路の素子定数を示せ。

解答
@
Z(ω)=jHωω−ω
ω−ω
    =jHωω−ω+ω−ω
ω−ω
    =jHω+jHωω−ω
ω−ω
    =jHω+
ω/jHω(ω−ω)−ω/jHω(ω−ω
    =jHω+
1/jωH(ω/ω−1) +jω/H(ω−ω

 回路は、第一項と第二項のインピーダンスの直列接続で表される。
 第一項は、H〔H〕のインダクタ’L、第二項は、H(ω−ω)/ω〔H〕のインダクタ’L1/H(ω−ω))〔F〕のキャパシタ’Cの並列接続である。

A  回路の素子定数
  : 5〔H〕
  : 6.25〔H〕
  : 0.16〔μF〕

IV 対称三相交流電源で、回転磁場が得られることを示せ。
 教科書を参照してください。


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