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電気回路U (1998年度 前期 本試験) 解答のコーナー

  T
 左の回路で、e(t)=E0sinωt〔V〕とする。以下の問いに答えよ。
@ i(t)〔A〕を求めよ。

解答
 電源が二つあるので、個々の電源による電流を重ね合わせる。
1.電圧Eの直流電源による電流id
コンデンサには直流電流は流れないので、R〔Ω〕の抵抗だけに流れる。よって、id=E/R
2.電圧振幅E0の交流電源による電流ia
直流電源は短絡していると見なせるので、R〔Ω〕の抵抗には交流電流は流れない。よって、交流電流はコンデンサから直流電源の方にのみ流れる。 交流電源とコンデンサよりなる回路であるから、ia=−ωCE0cosωt
 i(t)=id+ia=E/R−ωCE0cosωt〔A〕

A i(t)の平均値および実効値を求めよ。

解答
 @を参考にする。平均値は直流分であるから E/R〔A〕。
実効値は、実効値の二乗の和の実効値であるから((E/R)2+(ωCE02/2)1/2〔A〕。

B Rで消費される電力の瞬時値p(t)〔W〕を求めよ。

解答
 抵抗には、直流分しか流れていないので、p(t)=Ri2=R(E/R)2=E2/R〔W〕

  U V0=−Zg00、V1=E1−Zg11、 V2=−Zg22 で与えられる発電機のa相とb相が短絡した。Iaを求めよ。

解答
 a相とb相が短絡したのであるから、
a+Ib=0
c=0
a=Vb

 さて、a=ej2π/3とおいて、
a=I0+I1+I2、 Ib=I0+a21+aI2、 Ic=I0+aI1+a22
a=V0+V1+V2、 Vb=V0+a21+aV2

 Ic=0であるから、
0=−aI1−a22

 Va=Vbであるから、
(1−a2)V1=(a−1)V2
2=−(1+a)V1=a21
−Zg22=a2(E1−Zg11

 Ia+Ib=0であるから、
(a2+1)I1+(a+1)I2+2I0=0
(a2+1−2a)I1+(a+1−2a2)I2=0
1+aI2=0

1とI2を求めれば、
2=−a21/(Zg1+Zg2
1=E1/(Zg1+Zg2

0=0であるから、
a=(1−a2)E1/(Zg1+Zg2)〔A〕

V
 左の回路の四端子定数を求めよ。

 四端子定数は次の行列成分で与えられる。


 は、I2=0(22’を解放)の条件での12であるので、
=(jωL1−j/ωC)/(−j/ωC)=1−ω21
 は、2=0(22’を短絡)の条件での12であるので、
=jωL1(1−ω22C)+jωL2=jω(L1+L2−ω212C)
 は、I2=0(22’を解放)の条件での12であるので、
=jωC
 は、2=0(22’を短絡)の条件での12であるので、
1/=1/jωL2/(1/jωL2+jωC) → =jωL2(1/jωL2+jωC)=1−ω22

  W
 左の回路電流Iを求めよ。
 テブナンの定理により求める。
Rをはずしたときには、Rがついていた端子の両端の電圧はR4の側を基準にして、
(R3/(R1+R3)−R4/(R2+R4))E
で与えられる。
Rをはずした両端から見た回路の抵抗は、
13/(R1+R3)+R24/(R2+R4
で与えられる。故に、
I=(R3/(R1+R3)−R4/(R2+R4))E /(R13/(R1+R3)+R24/(R2+R4)+R)
 =(R3(R2+R4)−R4(R1+R3))E /(R13(R2+R4)+R24(R1+R3)+R(R1+R3)(R2+R4))
 =(R23−R41)E /(R123+R234+R341+R412+R(R12+R23+R34+R41))〔A〕


これ以降はありません

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