座標系を変更する場合、任意のベクトルの成分がどの様に変更されるかについて、先に示した。 そこでは、’任意のベクトルが、各座標軸方向の成分をその座標軸方向の単位ベクトルとかけて、すべての座標成分についてたすことによって表現される’ことを示した。 ここでは、座標軸方向の単位ベクトルがどの様に表されるかを説明する。
いま、x,y,z座標で表される空間に、u,v,wの互いに直交する各座標軸で表される座標を設定する。
x,y,z座標において空間の任意の点がベクトルとしてR(=(x,y,z))で表されれば、同じ点がu,v,w座標において
R(u,v,w)(=(x(u,v,w)、y(u,v,w)、z(u,v,w)))と表される。
いま、座標軸uの方向は、変数uのみを変化させたとき(v、wは変化させない)点Rが変化する方向であるから、
R(u+△u、v、w)−R(u、v、w)(△u→0)の方向と一致する。よって、
u軸方向の単位ベクトルeuは、次のように与えられる。
R(u+△u、v、w)−R(u、v、w)を△uについて展開すると、変数uに関してだけの変位をとることを考慮して、偏微分で表されて、x、y、z成分で表せば、
よって、u軸方向の単位ベクトルeuは、
となる。
他の座標軸についても同様にして、対応する軸方向の単位ベクトルは、
となる。
座標ベクトル相互の関係は、先の記号を用いて、次のように書ける。
v,wについては、これらの式で、u→v、または、u→wとおけば得られる。
ここでの考え方は、例えば円柱座標や極座標への変換に応用される。