原点を始点とする任意ベクトルAのベクトルの表現について考える。
いま、空間にx,y,z軸を決めれば、ベクトルAは、それぞれの方向の成分として
(Ax,Ay,Az)と表現される。
それぞれの軸方向の単位ベクトルをex,ey,ez
とすれば、
A=Axex+Ayey+Azez
とかける。
それぞれの成分は、内積を使えば、
Ax=A・ex, Ay=A・ey, Az=A・ez
とかける。
一般に、三次元空間では、3つの互いに直交する単位ベクトルを用いて任意のベクトルをそれぞれの方向の成分に分解できる。
そこで、x,y,z軸に代わる3つの互いに直交する座標軸u,v,w とその単位ベクトル
eu,ev,ew
によってAを表す。
(eu,evに垂直な方向は、二方向あるがそのうち、euからevへ右ねじを回して進む方向にewを選ぶ(右手系)。)
(ex,ey,ezはどの場所においても変わらないという性質があるが、一般には 任意の点においてベクトルeuの方向は、その点において変数uのみが増加した(v,wは定数とみなす)時、点が移動してゆく方向に取るので、 変数(座標)の取り方によっては、場所によってeuの方向は変わる。(例えば、円柱座標や極座標) つまり、一般に点(x,y,z)におけるeuは、eu(x,y,z)(円柱座標ではeu(φ)、極座標ではeu(θ,φ))と書ける。 ev,ewについても同様のことがいえる。)
A=Aueu+Avev+Awew
両辺のexとの内積を取れば、
左辺=A・ex=Ax
右辺=Aueu・ex+Avev・ex+Awew・ex
=Auux+Avvx+Awwx
となる。ここで、ux、vx、wxは、それぞれ、eu,ev,ewのx成分を表す。
Ax=Auux+Avvx+Awwx
同様に
Ay=Auuy+Avvy+Awwy
Az=Auuz+Avvz+Awwz
と書ける。これが、uvw成分からxyz成分への変換を表す。行列で表せば、
xyz成分からuvw成分への変換は、同様の手続きで、
Au=Axxu+Ayyu+Azzu
Av=Axxv+Ayyv+Azzv
Aw=Axxw+Ayyw+Azzw
となる。行列で表せば、
ここで、ux=eu・ex=ex・eu=xuより、
ux=xuとなることがわかる。この関係は、他の係数についても同様に成り立つ。
成分の変換行列には、
なる関係がある。