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 電気工学で使う数学的手法 presented since 1996

ベクトルの微分 (三次元空間における(位置変数による)微分 発散(div,∇・))

 

 位置(=(x,y,z))を変数にする関数で各成分が表されるベクトル(=(Fx),Fy),Fz))を考える。

 ベクトルに対して、それぞれの方向成分を対応する変数で偏微分した量の和

  ∂Fx/∂x+∂Fy/∂y+∂Fz/∂z

をベクトルの発散(divergence)と呼び、divと表す。 微分演算子∇を使ってあらわせば、発散は、∇との内積で、∇・ と表せる。

XYZ座標においては、div(=∇・)=∂Fx/∂x+∂Fy/∂y+∂Fz/∂z

と表されるが、他の座標系では∇の表現が異なるので、異なる表現になる。

divの円柱座標による表現

divの極座標による表現 


  divの意味について考える。

 空間に密度ρ(,t)で'何か'(例えば、たばこの煙の粒子)が分布しているとする。(ρは位置と時間の変数で与えられる。)
 ここで、時刻tからt+凾狽ノおいて点の凾凾刧凾嘯ナ囲まれる微小領域内での粒子数の変化刄マを考える。 今、たばこの煙のマクロな動き('ゆらゆらと漂っている煙の動き'や'風に吹かれてゆく煙の動き')の速度を
(=(vx,vy,vz))
とする。面Sに開いた凾x凾yの面を凾博條ヤの間に右から左へ抜ける粒子の数nxは、通り抜ける体積が、vx凾這凾x凾yであるから、粒子の密度をρとすれば、
x=ρvx凾這凾刧凾
で与えられる。今、ρvxはx方向の単位断面積を単位時間当りに(x方向に)流れる粒子の量(粒子流密度)を表す。y,z方向にも粒子流はあるので、それぞれの方向の粒子流密度を成分をとする粒子流密度のベクトル
(=(jx,jy,jz)=ρ=(ρvx,ρvy,ρvz)) でnxをあらわせば、nx=jx凾這凾刧凾嘯ニかける。

 さて、点に微小な凾凾刧凾嘯ネる大きさの直方体を考える。ある時間tにおけるこの直方体内部の粒子数を凾m(x,y,z,t)とし、 凾博條ヤ後の粒子数凾m(x,y,z,t+凾煤jを求める。直方体を構成するそれぞれの面
x,Sx+凅,Sy,Sy+凉,Sz,Sz+凛
を通過する粒子の数をたせば、直方体内の粒子数が得られる。Sxを粒子が通過すると粒子数が増加し(直方体に入る方向)、Sx+凅を粒子が通過すると粒子数が減少するので、(直方体から出る方向)x方向の流れによる粒子の増加は、
x(x,y,z)凾這凾刧凾噤|jx(x+凾,y,z)凾這凾刧凾嘯ニなる。 jx(x+凾,y,z)を凾について展開して一次までを考えれば、
x(x,y,z)凾這凾刧凾+∂jx(x,y,z)/∂x*凾凾這凾刧凾
となる。x方向の流れによる粒子の増加は、
x(x,y,z)凾這凾刧凾噤|jx(x+凾,y,z)凾這凾刧凾噤=|∂jx(x,y,z)/∂x*凾凾這凾刧凾
y,z方向についても同様に考えてすべてたせば、直方体に入る粒子の総和が得られる。これは、次の式で与えられる。

−∂jx(x,y,z)/∂x*凾凾這凾刧凾噤|∂jy(x,y,z)/∂y*凾刧凾這凾嚊凾−∂jz(x,y,z)/∂z*凾嚊凾這凾凾
=−(∂jx(x,y,z)/∂x+∂jy(x,y,z)/∂y+∂jz(x,y,z)/∂z)*凾這凾凾刧凾
=-div凾這凾凾刧凾(=-∇・*凾這凾凾刧凾)

直方体内部に入ってゆく粒子の数が負の発散で与えられることから、粒子流密度の発散は、(単位体積当りの)外へ出ていく粒子の量を与えることが分かる。
直方体に入る粒子の総和は、凾m(x,y,z,t+凾煤j-凾m(x,y,z,t)でも与えられるので、

凾m(x,y,z,t+凾煤j-凾m(x,y,z,t)=-∇・凾這凾凾刧凾

凾m(x,y,z,t+凾煤j/凾凾刧凾-凾m(x,y,z,t)/凾凾刧凾噤-∇・

凾m(x,y,z,t)/凾凾刧凾嘯ヘ体積内の粒子数を体積で割るので密度ρに等しい。ゆえに、

ρ(x,y,z,t+凾煤j-ρ(x,y,z,t)=-∇・

ρ(x,y,z,t+凾煤jを凾狽フ一次まで展開すれば、ρ(x,y,z,t)+∂ρ(x,y,z,t)/∂t*凾狽ネので、

ρ(x,y,z,t+凾煤j-ρ(x,y,z,t)=∂ρ(x,y,z,t)/∂t*凾煤-∇・

  ∂ρ(x,y,z,t)/∂t=-∇・(x,y,z,t)

  ∇・+∂ρ/∂t=0 (=ρ)

 これは、ある点において(単位体積当たりの)粒子の生成消滅が無い場合の粒子の増減と粒子の流れの関係(粒子数が不変であること)を表す。連続の式という。(を電流密度、ρを電荷密度とすれば、電荷保存則をあらわす。)

 もし、微小直方体内に火のついたたばこがあれば、直方体に入る粒子はなくても、粒子数は増加する。 また、微小直方体内に粒子の吸着剤があれば、出ていく粒子はなくても粒子数は減少する。これらの量は、その場所での粒子の生成消滅に相当する。 単位時間単位体積当りの生成をg、消滅をsとすれば、

  ∇・+∂ρ/∂t=g-s

で与えられる。


(=x,y,z))におけるベクトルの方向にx軸をとる。 の近傍で、の方向が変わらなければ、

)=(jx,0,0)、)=(jx),0,0)

とX軸成分しか存在しない。このときdiv=∂jx/∂xとかける。 これは、ある点(ここでは)の近傍でベクトル(ここでは)の方向が変わらない時、 発散が、'そのベクトルの方向へ移動したときのベクトルの大きさの変化率をあらわす'ことを示す。

変化率に空間での移動量(の方向への移動量)をかければ、ベクトルの大きさの変化量が得られる。 の方向にx軸を選べば、

x=∂jx/∂x凾=div



これでこの項目は終わり

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