このページは、 Wednesday, 31-May-2000 09:16:08 JSTに更新されました。
このページは、’後藤 英雄@電気システム工学科 中部大学’が作成しています。
連絡は、後藤@電気システム工学科へお願いします。

 電気工学で使う数学的手法 presented since 1996

円柱座標における回転(rot,∇×)の表現

円柱座標におけるベクトル(=(Fr,Fφ,Fz))の回転を求める。

を単位ベクトルを用いてあらわすと、

=Frr+Fφφ+Fzz

とかける。

円柱座標では、∇=(∂/∂r,1/r*∂/∂φ,∂/∂z)であるから、

rot=∇×=(r∂/∂r+φ1/r*∂/∂φ+z∂/∂z)× (Frr+Fφφ+Fzz

括弧を展開して計算を行なう。

=r∂/∂r×(Frr+Fφφ+Fzz
 +φ1/r*∂/∂φ×(Frr+Fφφ+Fzz
 +z∂/∂z×(Frr+Fφφ+Fzz

=r∂/∂r×(Frr)+r∂/∂r×(Fφφ)+r∂/∂r×(Fzz
 +φ1/r*∂/∂φ×(Frr)+φ1/r*∂/∂φ×(Fφφ)+φ1/r*∂/∂φ×(Fzz
 +z∂/∂z×(Frr)+z∂/∂z×(Fφφ)+z∂/∂z×(Fzz

ここで、円柱座標では、単位ベクトルrφがφの関数であることを考えて、微分する必要がある。

=r×r∂Fr/∂r+r×φ∂Fφ/∂r +r×z∂Fz/∂r
 +φ×1/r∂Fr/∂φr+φ×1/rFrr/∂φ  +φ×1/r∂Fφ/∂φφ+φ×1/rFφφ/∂φ  +φ×1/r∂Fz/∂φz
 +z×r∂Fr/∂z+z×φ∂Fφ/∂z +z×z∂Fz/∂z

ここで、r/∂φ=φ、∂φ/∂φ=-rであることと 互いに平行なベクトルの外積は’0’になることを考えると、

r×r∂Fr/∂r+r×φ∂Fφ/∂r +r×z∂Fz/∂r
 +φ×1/r∂Fr/∂φr+φ×1/rFrφ  +φ×1/r∂Fφ/∂φφ+φ×1/rFφ(−r)  +φ×1/r∂Fz/∂φz+z×r∂Fr/∂z
 +z×φ∂Fφ/∂z+z×z∂Fz/∂z

r×φ∂Fφ/∂r+r×z∂Fz/∂r
 +φ×1/r∂Fr/∂φr+φ×1/rFφ(−r)  +φ×1/r∂Fz/∂φz+z×r∂Fr/∂z+z×φ∂Fφ/∂z

z∂Fφ/∂r−φ∂Fz/∂r−z1/r∂Fr/∂φ+z×1/rFφ
 +r×1/r∂Fz/∂φ+φ∂Fr/∂z−r∂Fφ/∂z

r(1/r∂Fz/∂φ−∂Fφ/∂z)+φ(∂Fr/∂z−∂Fz/∂r) +z(∂Fφ/∂r+1/rFφ−1/r∂Fr/∂φ)

r(1/r∂Fz/∂φ−∂Fφ/∂z)+φ(∂Fr/∂z−∂Fz/∂r) +z(1/r∂(rFφ)/∂r−1/r∂Fr/∂φ)

ゆえに、

  rot=∇×=r(1/r∂Fz/∂φ−∂Fφ/∂z)+φ(∂Fr/∂z−∂Fz/∂r) +z(1/r∂(rFφ)/∂r−1/r∂Fr/∂φ)

これが、円柱座標のrotの表現である。



これでこの項目は終わり

電気工学で使う数学的手法の入り口ページ

ページの選択

井戸・田橋+後藤 研究室トップページ