円柱座標におけるベクトルF(=(Fr,Fφ,Fz))の回転を求める。
Fを単位ベクトルを用いてあらわすと、
F=Frer+Fφeφ+Fzez
とかける。
円柱座標では、∇=(∂/∂r,1/r*∂/∂φ,∂/∂z)であるから、
rotF=∇×F=(er∂/∂r+eφ1/r*∂/∂φ+ez∂/∂z)× (Frer+Fφeφ+Fzez)
括弧を展開して計算を行なう。
=er∂/∂r×(Frer+Fφeφ+Fzez)
+eφ1/r*∂/∂φ×(Frer+Fφeφ+Fzez)
+ez∂/∂z×(Frer+Fφeφ+Fzez)
=er∂/∂r×(Frer)+er∂/∂r×(Fφeφ)+er∂/∂r×(Fzez)
+eφ1/r*∂/∂φ×(Frer)+eφ1/r*∂/∂φ×(Fφeφ)+eφ1/r*∂/∂φ×(Fzez)
+ez∂/∂z×(Frer)+ez∂/∂z×(Fφeφ)+ez∂/∂z×(Fzez)
ここで、円柱座標では、単位ベクトルer、eφがφの関数であることを考えて、微分する必要がある。
=er×er∂Fr/∂r+er×eφ∂Fφ/∂r
+er×ez∂Fz/∂r
+eφ×1/r∂Fr/∂φer+eφ×1/rFr∂er/∂φ
+eφ×1/r∂Fφ/∂φeφ+eφ×1/rFφ∂eφ/∂φ
+eφ×1/r∂Fz/∂φez
+ez×er∂Fr/∂z+ez×eφ∂Fφ/∂z
+ez×ez∂Fz/∂z
ここで、∂er/∂φ=eφ、∂eφ/∂φ=-erであることと 互いに平行なベクトルの外積は’0’になることを考えると、
=er×er∂Fr/∂r+er×eφ∂Fφ/∂r
+er×ez∂Fz/∂r
+eφ×1/r∂Fr/∂φer+eφ×1/rFreφ
+eφ×1/r∂Fφ/∂φeφ+eφ×1/rFφ(−er)
+eφ×1/r∂Fz/∂φez+ez×er∂Fr/∂z
+ez×eφ∂Fφ/∂z+ez×ez∂Fz/∂z
=er×eφ∂Fφ/∂r+er×ez∂Fz/∂r
+eφ×1/r∂Fr/∂φer+eφ×1/rFφ(−er)
+eφ×1/r∂Fz/∂φez+ez×er∂Fr/∂z+ez×eφ∂Fφ/∂z
=ez∂Fφ/∂r−eφ∂Fz/∂r−ez1/r∂Fr/∂φ+ez×1/rFφ
+er×1/r∂Fz/∂φ+eφ∂Fr/∂z−er∂Fφ/∂z
=er(1/r∂Fz/∂φ−∂Fφ/∂z)+eφ(∂Fr/∂z−∂Fz/∂r) +ez(∂Fφ/∂r+1/rFφ−1/r∂Fr/∂φ)
=er(1/r∂Fz/∂φ−∂Fφ/∂z)+eφ(∂Fr/∂z−∂Fz/∂r) +ez(1/r∂(rFφ)/∂r−1/r∂Fr/∂φ)
ゆえに、
rotF=∇×F=er(1/r∂Fz/∂φ−∂Fφ/∂z)+eφ(∂Fr/∂z−∂Fz/∂r) +ez(1/r∂(rFφ)/∂r−1/r∂Fr/∂φ)
これが、円柱座標のrotの表現である。