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極座標における回転(rot,∇×)の表現

極座標におけるベクトル(=(F,Fθ,Fφ))の回転を求める。

を単位ベクトルを用いてあらわすと、

=F+Fθθ+Fφφ

とかける。

極座標では、∇=(∂/∂r,1/r*∂/∂θ,1/rsinθ*∂/∂φ)であるから、

rot=∇×=(∂/∂r+θ1/r*∂/∂θ+φ1/rsinθ*∂/∂φ)× (F+Fθθ+Fφφ

括弧を展開して計算を行なう。

×∂/∂r(F+Fθθ+Fφφ
 +θ×1/r*∂/∂θ(F+Fθθ+Fφφ
 +φ×1/rsinθ*∂/∂φ(F+Fθθ+Fφφ

×∂/∂r(F)+×∂/∂r(Fθθ)+×∂/∂r(Fφφ
 +θ×1/r*∂/∂θ(F)+θ×1/r*∂/∂θ(Fθθ)+θ×1/r*∂/∂θ(Fφφ
 +φ×1/rsinθ*∂/∂φ(F)+φ×1/rsinθ*∂/∂φ(Fθθ)+φ×1/rsinθ*∂/∂φ(Fφφ

ここで、極座標では、単位ベクトルθφがθ、φの関数であることを考慮して微分する必要がある。

×∂F/∂r +×θ∂Fθ/∂r +×φ∂Fφ/∂r
 +θ×1/r∂F/∂θθ×1/rFr/∂θ +θ×1/r∂Fθ/∂θθθ×1/rFθθ/∂θ +θ×1/r∂Fφ/∂θφθ×1/rFφφ/∂θ
 +φ×1/rsinθ*∂F/∂φφ×1/rsinθ*F/∂φ +φ×1/rsinθ*∂Fθ/∂φθφ×1/rsinθ*Fθθ/∂φ +φ×1/rsinθ*∂Fφ/∂φφφ×1/rsinθ*Fφφ/∂φ

ここで、次の方向を表す単位ベクトルの偏微分の関係
  ∂r/∂θ=θ、∂θ/∂θ=−r、∂φ/∂θ=
  ∂r/∂φ=sinθφ、∂θ/∂φ=cosθφ、 ∂φ/∂φ=−(sinθr+cosθθ
を用いれば、

=×∂F/∂r +×θ∂Fθ/∂r +×φ∂Fφ/∂r
 +θ×/r∂F/∂θ +θ×θ/r*Fθ×θ/r∂Fθ/∂θ +θ×(−)/r*Fθθ×φ/r∂Fφ/∂θ +θ×1/r*Fφ
 +φ×/rsinθ*∂F/∂φ +φ×sinθφ/rsinθ*Fφ×θ/rsinθ*∂Fθ/∂φ +φ×cosθφ/rsinθ*Fθφ×φ/rsinθ*∂Fφ/∂φ +φ×(−(sinθ+cosθθ))/rsinθ*Fφ
互いに平行なベクトルの外積は’’になることを考慮すると、

φ∂Fθ/∂r−θ∂Fφ/∂r
 −φ/r∂F/∂θ+φ/rFθ/r∂Fφ/∂θ
 +θ/rsinθ*∂Fr/∂φ−/rsinθ*∂Fθ/∂φ +(−sinθθ+cosθ)/rsinθ*Fφ

(1/r∂Fφ/∂θ−1/rsinθ*∂Fθ/∂φ +cosθ/rsinθ*Fφ
 +θ(1/rsinθ*∂F/∂φ−1/r*Fφ−∂Fφ/∂r)
 +φ(∂Fθ/∂r−1/r∂F/∂θ+1/rFθ

1/rsinθ(sinθ∂Fφ/∂θ−∂Fθ/∂φ +cosθFφ
 +θ1/rsinθ(∂F/∂φ−sinθ(Fφ+r∂Fφ/∂r))
 +φ1/r(r∂Fθ/∂r+Fθ−∂F/∂θ)

1/rsinθ(∂(sinθFφ)/∂θ−∂Fθ/∂φ)
 +θ1/rsinθ(∂F/∂φ−sinθ∂(rFφ)/∂r)
 +φ1/r(∂(rFθ)/∂r−∂F/∂θ)

=1/rsinθ((∂/∂θ(sinθFφ)−∂/∂φ(Fθ))
 +θ(∂/∂φ(F)−∂/∂r(r(sinθFφ)))
 +φsinθ(∂/∂r(rFθ)−∂/∂θF))

これが、極座標でのrotの表現である。



これでこの項目は終わり

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