互いに直交しているので、
C U11U12+U21U22+U31U32=0
(U12U13+U22U23+U32U33=0)
(U13U11+U23U21+U33U31=0)
上の括弧付きの二つの内積の式は、@〜Bが成り立てば、外積の性質により'0'になることは、自明である。
単位ベクトルであるから
D U112+U212+U312=1
E U122+U222+U322=1
(U132+U232+U332=1)
上の括弧付きのベクトルの大きさの式は、U1とU2が互いに直交しているので(上の条件C)、外積の性質により'1'になることは、自明である。
これらの関係が成り立つことを、この頁の初めで示した回転を表す行列の成分によって、以下に確認する。
外積の成分を比較する
U11U22−U12U21
=(cosθ+lx2(1−cosθ))(cosθ+ly2(1−cosθ))
−(−lzsinθ+lxly(1−cosθ))(lzsinθ+lxly(1−cosθ))
=cos2θ+lx2ly2(1−cosθ)2+
(lx2+ly2)cosθ(1−cosθ)
−(−lz2sin2θ+lx2ly2(1−cosθ)2)
=lz2+(1−lz2)cosθ
=U33
他の成分についても成り立つことが確認される。
U32U33−U23U32=U11
U13U11−U31U13=U22
互いの直交性を確認する
U11U12+U21U22+U31U32
=(cosθ+lx2(1−cosθ))(−lzsinθ+lxly(1−cosθ))
+(lzsinθ+lxly(1−cosθ))(cosθ+ly2(1−cosθ))
+(−lysinθ+lxlz(1−cosθ))(lxsinθ+lzly(1−cosθ))
=−lzsinθ(cosθ+lx2(1−cosθ))+2lxly(1−cosθ)cosθ
+lzsinθ(cosθ+ly2(1−cosθ))
−lxlysin2θ+(lx2−ly2)lzsinθ(1−cosθ)
+lxly(1−cosθ)2
=−lzsinθ(cosθ+lx2(1−cosθ))
+lzsinθ(cosθ+ly2(1−cosθ))+(lx2−ly2)lzsinθ(1−cosθ)
=0
単位ベクトルであることを確認する
U112+U212+U312
=(cosθ+lx2(1−cosθ))2+(lzsinθ+lxly(1−cosθ))2
+(−lysinθ+lxlz(1−cosθ))2
=cos2θ+2cosθlx2(1−cosθ)+lx4(1−cosθ)2
+lz2sin2θ+2lxlylzsinθ(1−cosθ)−lx2ly2(1−cosθ)2
+ly2sin2θ−2lxlylzsinθ(1−cosθ)+lx2lz2(1−cosθ)2
=cos2θ+2cosθlx2(1−cosθ)+lx2(1−cosθ)2
+lz2sin2θ+ly2sin2θ
=cos2θ+2lx2cosθ(1−cosθ)+lx2(1−cosθ)2
+(1−lx2)(1−cos2θ)
=1
他の成分についても成り立つ
U122+U222+U322=1
よって、この頁の始めに示した行列は、回転変換を表す行列としての条件を満たすことが分かる。
一般には、@〜Eのすべての条件を満たせば回転変換を表す行列になる。
行列が9成分よりなることを考えれば、独立な変数は3つであることが分かる。初めに示した行列においては、’α、γ、θ’が独立変数に相当する。
これらの変数により、この頁の初めに示した変換行列のlx、ly、lz、θが与えられる。