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電気磁気学IB (2006年度 後期 本試験-2) 答の解説コーナー
※真空中の誘電率は、ε0=8.854×10−12〔F/m〕とせよ。
I 真空中に充分長い半径R1〔m〕の円柱導体1と内半径R2〔m〕で筒の肉厚t〔m〕の円筒導体2が同軸状に配置されている。
以下の問いに答えよ。(R1<R2とする。)
@ 円筒導体2の外側表面を接地して、円柱導体1に単位長さ当たりλ[C/m]の電荷を与えた。円筒導体2に分布する電荷を求めよ。
答
円筒導体2について−−−
導体では、電荷は表面に分布し、導体内部には電界は存在しない。円筒導体の内側表面のごく内側での電界が、λ/2πε0R2であることを考慮して、円筒導体の内側表面を挟んでガウスの定理を用いれば、円筒導体の内側表面には、−λ/2πR2[C/m2]の電荷が分布することが導かれる。円筒導体の外側表面は、接地されており、電位は'0'である。無限の遠方でも電位は'0'であるから、円筒導体の外側表面には電荷は分布しない。
A @において、円柱導体1の中心軸からの距離r[m]における電界の大きさを求めよ。
答
同軸の中心を中心として、半径r、高さHの円柱閉曲面でガウスの定理を使えば、
r<R1、R2<rのとき E=0 [V/m]
R1<r<R2 のとき E=λ/2πε0r [V/m](電界は外向きを正とした)
B @において、円柱導体1の中心軸からの距離R[m]における電位を求めよ。
答
電位φ=∫−Edr(r;R2〜R)
=0 [V] (R2<R)
=λ/2πε0*log(R2/R) [V] (R1<R<R2)
=λ/2πε0*log(R2/R1) [V] (R<R1)
C Bにおいて、全体を比誘電率εrの媒質で満たした。電位はどうなるか。
答
電界が1/εrになるので、電位も真空中に比べて、1/εrになる。
D Cにおいて、円柱導体1と円筒導体2の間の単位長さ当たりの静電容量を求めよ。
答
電位差φ0がλ/2πε0εr*log(R2/R1)であるから単位長さあたりの静電容量CLは、
CL=λ/φ0=2πε0εr/log(R2/R1) [F/m]
E εr=3、R1=2.2[mm]、R2=6[mm]、t=0.1[mm]とする。
Dにおいて、単位長さ当たりの静電容量はいくらか。 ( ただし、loge(3/1.1)=1、ε0=8.854×10−12[F/m]として計算してもよい。)
答
Cを参考にして、
CL=2πε0εr/log(R2/R1)
=2π×8.854×10-12×3
=1.67×10-10 [F/m] =167[pF/m]
II 無限に広い接地された導体平面がある。以下の問に答えよ。
@ 導体平面から距離1〔m〕離れた位置に、1〔C〕の点電荷がある。点電荷に働く力を求めよ。
答
−1〔C〕の影像電荷を考える。影像電荷までの距離は、2〔m〕であるから、9×109・1/22=9×109・1/4〔N〕の
引力が働く。
A @において、全体を比誘電率2の媒質で満たした。点電荷に働く力を求めよ
答
電界は、1/2になるので、9×109・1/8〔N〕の引力が働く。
B Aにおいて、点電荷を無限の遠方まで移動させるために必要なエネルギーを求めよ。
答
ポテンシャルは、−9×109・1/2・2=−9×109・1/4〔V〕であるから、9×109・1/4〔J〕が必要
III 比誘電率3の媒質中の点(1,0,0)〔m〕に1×10−9〔C〕の点電荷、
点(−1,0,0)〔m〕に−1×10−9〔C〕の点電荷がある。以下の問いに答えよ。
@ 原点における電界と電位を求めよ。
答
点(1,0,0)〔m〕にある1×10−9〔C〕の点電荷が原点に作る電界E1は、
E1=1×10−9/3・4πε013/2(−1,0,0)=(−3,0,0)〔V/m〕
点(−1,0,0)〔m〕にある−1×10−9〔C〕の点電荷が原点に作る電界E1は、
E1=−1×10−9/3・4πε013/2(1,0,0)=(−3,0,0)〔V/m〕
よって、原点における電界Eは、二つの電荷の寄与を加えて、(−6,0,0)〔V/m〕
電位は、それぞれの点電荷による電位を足せばよい。二つの電荷は、原点から等距離で大きさが等しく符号が異なるので、0〔V〕
A 点(0,0,1)〔m〕における電界と電位を求めよ。
答
y軸の正の方向から眺めて、電荷からの距離が21/2〔m〕であることを考慮して電界を合成する。
電界は大きさ2.1〔V/m〕でx軸の負の方向を向く。電位は、0〔V〕となる。
B −1〔C〕の点電荷を、y軸上の正の無限の遠方から原点まで移動させた。この点電荷の得たポテンシャルエネルギーを求めよ。
答
無限遠の電位は0V、原点の電位は0Vであるから、0Jとなる。
これ以降はありません
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