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'97 06/12 レポート 1


右の回路において、電流Iを求める。

@ ループ電流を設定して求める
A 鳳・テブナンの定理を利用して求める
B 回路(電源)を変換して求める

それぞれの方法について紹介する。
@ ループ電流を設定して求める
講義のポイントを参考にして、図のようにループ電流を設定すれば、I=IL2で与えられる。

 キルヒホッフの電圧則より、
 E−Z0(IL1+IL3)−Z1(IL1−IL2)−Z3L1=0  @
 Z1(IL1−IL2)−Z2(IL2+IL3)−ZIL2=0  A
 E−Z0(IL1+IL3)−Z2(IL2+IL3)−Z4L3=0  B

@〜Bより、
(Z0+Z1+Z3)IL1−Z1L2+Z0L3=E
−Z1L1+(Z1+Z2+Z)IL2+Z2L3=0
0L1+Z2L2+(Z0+Z2+Z4)IL3=E

係数を行列に見立てて、逆行列より、IL2を求めれば、
D=(Z0+Z1+Z3)(Z1+Z2+Z)(Z0+Z2+Z4
  −2Z012−Z22(Z0+Z1+Z3) −Z12(Z0+Z2+Z4) −Z02(Z1+Z2+Z)
 =Z(Z12+Z23+Z34+Z41) +ZZ0(Z1+Z2+Z3+Z4
  +Z0(Z13+Z23+Z24+Z14) +Z32(Z1+Z4)+Z41(Z2+Z3
 =Z(Z1+Z3)(Z2+Z4) +ZZ0(Z1+Z2+Z3+Z4
  +Z0(Z1+Z2)(Z3+Z4) +Z32(Z1+Z4)+Z41(Z2+Z3
 =Z((Z1+Z3)(Z2+Z4) +Z0(Z1+Z2+Z3+Z4))
  +Z0(Z1+Z2)(Z3+Z4) +Z12(Z3+Z4)+Z34(Z1+Z2

として、

I=IL2=E/D*(Z1(Z0+Z2+Z4)+Z02 −((Z0+Z1+Z3)Z2+Z01))
 =E(Z14−Z23)/D

 

A 鳳・テブナンの定理を利用して求める
右は、先の回路で、インピーダンスZを取り除いた回路である。
インピーダンスZを除いた端子をabとする。

ab間の電圧Va−Vbを求める。

'=E/(Z0+(Z1+Z3)(Z2+Z4) /(Z1+Z2+Z3+Z4))

a=I'4(Z1+Z3) /(Z1+Z2+Z3+Z4
  =EZ4(Z1+Z3)/(Z0(Z1+Z2+Z3+Z4) +(Z1+Z3)(Z2+Z4))

b=I'3(Z2+Z4) /(Z1+Z2+Z3+Z4
  =EZ3(Z2+Z4)/(Z0(Z1+Z2+Z3+Z4) +(Z1+Z3)(Z2+Z4))

a−Vb=E(Z14−Z32)/(Z0(Z1+Z2+Z3+Z4) +(Z1+Z3)(Z2+Z4))

電圧源は、インピーダンスが0であるから、abからみるとインピーダンスは、 右の図のような回路で構成される。
abから見たインピーダンスを求めるために、Z0、Z3、Z4をY結線に見立てて、 Δ結線に変換する。
a、Zb、Zcはそれぞれ、次のように与えられる。

a=(Z03+Z34+Z40)/Z3
b=(Z03+Z34+Z40)/Z4
c=(Z03+Z34+Z40)/Z0
右のような回路であるから、合成インピーダンスZtは、

t=1/(1/(Z2a/(Z2+Za)+Z1b/(Z1+Zb))+1/Zc
  =((Z1+Z2)Z0+(Z1+Z2)Z34+Z12(Z3+Z4)) /((Z1+Z2+Z3+Z4)Z0 +(Z1+Z3)(Z2+Z4

I=(Va−Vb)/(Zt+Z)
 =E(Z14−Z32)/(Z0(Z1+Z2+Z3+Z4) +(Z1+Z3)(Z2+Z4))(Zt+Z)
 =E(Z14−Z32) /(Z0(Z1+Z2+Z3+Z4) +(Z1+Z3)(Z2+Z4))Zt +(Z0(Z1+Z2+Z3+Z4) +(Z1+Z3)(Z2+Z4))Z)

I=E(Z14−Z32) /((Z1+Z2)(Z3+Z4)Z0 +(Z1+Z2)Z34+Z12(Z3+Z4) +(Z0(Z1+Z2+Z3+Z4) +(Z1+Z3)(Z2+Z4))Z)

B 回路(電源)を変換して求める
右は、先の回路で、電圧源とZ0の直列インピーダンスを電流源と並列インピーダンスに変換した回路である。 この回路において、Iを求めてもよい。 電流源の電流は、E/Z0となる。
Z、Z2、Z4をY型接続であるとみなして、これをΔ型接続に変換すれば、Iは、右のように与えられる。 ここで、
1=1/Z1、Y2=1/Z2、Y3=1/Z3、Y4=1/Z4、 Y0=1/Z0、Y=1/Zと表せば、

d=1/Zd=YY2/(Y+Y2+Y4
e=1/Ze=YY4/(Y+Y2+Y4
f=1/Zf=Y42/(Y+Y2+Y4
である。

Iは、Zdに流れる電流とZeに流れる電流の差で与えられる。
I=EY0(Yd/(Y1+Yd)−Ye/(Y3+Ye))
*(1/(1/(Y1+Yd)+1/(Y3+Ye))/(Y0+Yf +1/(1/(Y1+Yd)+1/(Y3+Ye)))
 =EY0(Yd(Y3+Ye)−Ye(Y1+Yd))/(Y1+Yd)(Y3+Ye) ((Y0+Yf)(1/(Y1+Yd)+1/(Y3+Ye))+1)
 =EY0(Yd3−Ye1)/ ((Y0+Yf)((Y1+Yd)+(Y3+Ye))+(Y1+Yd)(Y3+Ye))
 =EY0(Yd3−Ye1)/ (Y30+Ye0+Y3f+Yef +Y01+Yf1+Y0d+Yfd +Y13+Yd3+Y1e+Yde
 =EY0(Yd3−Ye1)/ (Y30+Y01+Y13 +Ye0+Y3f+Yef +Yf1+Y0d+Yfd +Yd3+Y1e+Yde
 =EY0(Yd3−Ye1)/ (Y30+Y01+Y13 +Ye(Y0+Y1)+Yf(Y1+Y3)+Yd(Y3+Y0) +YY42/(Y+Y2+Y4))
 =EY0(YY23−YY41)/ ((Y30+Y01+Y13)(Y+Y2+Y4) +YY4(Y0+Y1)+Y42(Y1+Y3)+YY2(Y3+Y0) +YY42
 =EYY0(Y23−Y41)/ ((Y30+Y01+Y13)(Y+Y2+Y4) +YY4(Y0+Y1)+Y42(Y1+Y3)+YY2(Y3+Y0) +YY42
 =E(Z41−Z23)/ ((Z0+Z1+Z3)(ZZ2+ZZ4+Z42) +Z23(Z0+Z1)+ZZ0(Z1+Z3)+Z14(Z3+Z0) +Z013
 =E(Z41−Z23)/ (ZZ0(Z1+Z2+Z3+Z4)+Z(Z1+Z3)(Z2+Z4) +Z0(Z13+Z23+Z24+Z14)+ +Z123+Z234+Z341+Z412

I=E(Z41−Z23)/ (ZZ0(Z1+Z2+Z3+Z4)+Z(Z1+Z3)(Z2+Z4) +Z0(Z1+Z2)(Z3+Z4)+ +Z123+Z234+Z341+Z412


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