ベクトルの成分が一変数の関数(例えば時間)の時、ベクトルのその変数による微分
位置R(=Rx,Ry,Rz)の各成分が時間tの関数で与えられる時、 明示的にR(t)(=(Rx(t),Ry(t),Rz(t)))と表す。
ベクトルR(t)のtによる微分は、dR(t)/dt(全微分)∂R(t)/∂t(偏微分)と表記され、 それぞれの成分を微分することを意味する。
全微分では、dR(t)/dt=(dRx(t)/dt,dRy(t)/dt,dRz(t)/dt)
偏微分では、∂R(t)/∂t=(∂Rx(t)/∂t,∂Ry(t)/∂t,∂Rz(t)/∂t)
今、点R(t)の速度ベクトルをV(t)とすれば、点R(t)のΔt時間後の場所R(t+Δt)は、R(t)+V(t)*Δtとなる。
V(t)*Δt=R(t+Δt)-R(t) より、Δtで両辺を割って、Δ→dとすれば、
V(t)=dR(t)/dt=(dRx(t)/dt,dRy(t)/dt,dRz(t)/dt)
点を表す位置ベクトルを時間で微分すれば、点の速度ベクトルが得られる。同様に、速度ベクトルを微分すれば、加速度ベクトルが得られる。
ベクトルの時間微分に限らず、ベクトルを変数で微分することは、ベクトルの各成分をその変数で微分したベクトルを得ることを意味する。