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Thursday, 11-Mar-1999 13:33:02 JSTに更新されました。
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電気磁気学I (1996年度 後期 追試験、再試験) 答の解説コーナー
I 無限の広がりを持つ平面導体から距離hの場所にq(c)の点電荷がある。(この問題は既に扱っている。)
a 平面導体表面の電界を座標を適当に設定して求めよ。
答
q(c)の点電荷から平面導体表面に下ろした垂線の足に対して、対称な位置に−q(c)の点電荷(影像電荷)を考えればよい。
導体表面の任意の点における電界は、導体表面に対して垂直であるので、(平面導体表面において)垂線の足からの距離をrとすれば、
電界Eは導体平面から遠ざかる方を正にして、
E=q/4πε0(r2+h2)*(−h)/(r2+h2)1/2
+(−q)/4πε0(r2+h2)*h/(r2+h2)1/2
=−qh/2πε0(r2+h2)3/2
b aにおいて導体表面に誘起される電荷を求めよ。
答
導体表面の電荷蜜度σは、電束蜜度と等しいので、
σ=ε0E=−qh/2π(r2+h2)3/2
c 点電荷に働く力を求めよ。
答
影像電荷がq(c)の点電荷に及ぼす電界Eは、(−q)/4πε0(2h)2 であるから力Fは導体平面から遠ざかる方を正にして、
F=qE=−q2/16πε0h2
大きさ q2/16πε0h2 で、平面導体に対して引力が働く。
II 空間に体積密度ρ(r)で電荷が分布する時、任意の点Rにおける電界E(R)及び電位φ(R)を
求める手続きについて説明せよ。(この問題は既に扱っている。)
答
連続的に分布している電荷を電荷蜜度が一定で点電荷とみなせるほどに小さな領域に分割する。電界や電位は分割されたすべての微小領域からの
寄与の和で表される。この分割した微小領域の体積をΔVとすれば、それぞれの微小領域の電荷は電荷量ρ(r)ΔVの点電荷とみなせるので
E(R)=Σρ(r)ΔV/4πε0|R−r|2
*(R−r)/|R−r|(rについて和をとる)
φ(R)=Σρ(r)ΔV/4πε0|R−r|(rについて和をとる)
ΔVを限りなく小さくすると和は積分に代わって、
E(R)=∫ρ(r)/4πε0|R−r|2
*(R−r)/|R−r|dV(rに関して全空間(ρ(r)≠0の場所)で積分する)
φ(R)=∫ρ(r)/4πε0|R−r|dV(rに関して全空間(ρ(r)≠0の場所)で積分する)
III (A,0,0)、(0,A,0)、(0,0,A)の位置にQ(c)の点電荷がある。以下の問いに答えよ。
a (2/3*A,2/3*A,2/3*A)における電界と電位を求めよ。
答
(A,0,0)の電荷による電界は、Q/4πε0((2/3*A−A)2+(2/3*A)2+(2/3*A)2)3/2*(−A/3,2/3*A,2/3*A)
他の点電荷による電界も同様に表してたせば、
E=Q/4πε0(A2/9+2*4/9*A2)3/2*(−A/3+2*2/3*A,−A/3+2*2/3*A,−A/3+2*2/3*A)
=Q/4πε0A3*(A,A,A)
=Q/4πε0A2*(1,1,1)(V/m)
=Q/4πε0A2*3(1,1,1)/3(V/m)
原点より、(1,1,1)に向かう方向で、大きさは3Q/4πε0A2(V/m)
成分なら、(Q/4πε0A2,Q/4πε0A2,Q/4πε0A2)(V/m)
(A,0,0)の電荷による電位は、Q/4πε0((2/3*A−A)2+(2/3*A)2+(2/3*A)2)1/2
すべての電荷の寄与は等しいので、電位Φは、
Φ=3*Q/4πε0(A2/9+2*4/9*A2)1/2
=3Q/4πε0A(V)
b (A,A,A)における電界と電位を求めよ。
答
(A,0,0)の電荷による電界は、Q/4πε0((A−A)2+A2+A2)3/2*(0,A,A)
他の点電荷による電界も同様に表してたせば、
E=Q/4πε0(2*A2)3/2*(A,A,A)*2
=Q/42πε0A2*(1,1,1)(V/m)
=Q/42πε0A2*3(1,1,1)/3(V/m)
原点より、(1,1,1)に向かう方向で、大きさは3Q/42πε0A2(V/m)
成分なら、(Q/42πε0A2,Q/42πε0A2,Q/42πε0A2)(V/m)
(A,0,0)の電荷による電位は、Q/4πε0((A−A)2+A2+A2)1/2
すべての電荷の寄与は等しいので、電位Φは、
Φ=3*Q/4πε0(2*A2)1/2
=3Q/42πε0A(V)
c (A,A,A)にq(c)の点電荷がある。この電荷の受ける力を求めよ。
答
bで求めたように点(A,A,A)での電界は、Q/42πε0A2*(1,1,1)であるから力は、qをかけて
成分で表すと(qQ/42πε0A2,qQ/42πε0A2,qQ/42πε0A2)
(または、大きさ3qQ/42πε0A2で原点より(1,1,1)の方向)
これ以降はありません
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