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座標軸の方向を表すベクトルの座標変数による微分(円柱座標、極座標)

 さて、xyz軸よりなる座標系は、それぞれの座標変数により軸方向が変わることはないが、円柱座標や極座標では、座標変数により軸方向が変化する。 このような座標系で定義される座標変数を引数にするベクトル量を微分するときには、その方向を表す単位ベクトルも位置変数の関数であるから微分しなければならない。

円柱座標の座標変数に対する単位ベクトルは、xyz座標に対して次のような変換により与えられる。
  r=cosφx+sinφy
  φ=-sinφx+cosφy
  =z

座標軸を表す単位ベクトルはφのみの関数であるから、φについての微分だけでない。よって、座標変数に対する微分は次のようになる。
  ∂r/∂φ=−sinφx+cosφyφ
  ∂φ/∂φ=−cosφx−sinφy=−r
  ∂/∂φ=

あらためて書けば、
r
∂φ
φ

φ
∂φ
=−r


∂φ

極座標の座標変数に対する単位ベクトルは、xyz座標に対して次のような変換により与えられる。
  r=sinθcosφx+sinθsinφy+cosθz
  θ=cosθcosφx+cosθsinφy-sinθz
  φ=-sinφx+cosφy

座標軸を表す単位ベクトルはθとφの関数であるから、θとφについての微分だけでない。よって、座標変数に対する微分は次のようになる。
  ∂r/∂θ=cosθcosφx+cosθsinφy-sinθzθ
  ∂θ/∂θ=−sinθcosφx−sinθsinφy−cosθz =−(sinθcosφx+sinθsinφy+cosθz)=−r
  ∂φ/∂θ=
  ∂r/∂φ=sinθ(−sinφx+cosφy)=sinθφ
  ∂θ/∂φ=cosθ(−sinφx+cosφy)=cosθφ
  ∂φ/∂φ=−cosφx−sinφy =−(cosφx+sinφy
ここで、sinθr+cosθθ=cosφx+sinφyであるから、
  ∂φ/∂φ=−(sinθr+cosθθ

あらためて書けば、
r
∂θ
θ

θ
∂θ
=−r

φ
∂θ

r
∂φ
sinθφ

θ
∂φ
cosθφ

φ
∂φ
=−(sinθrcosθθ



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