T 点1(位置ベクトルR1)にQ1(C)、点2(位置ベクトルR2)にQ2(C)、
点3(位置ベクトルR3)にQ3(C)の点電荷がある。以下の問いに答えよ。
@ 点1の電荷の受ける力を求めよ。
A 点R(位置ベクトルR)における電界を求めよ。
B R1=(1,0,0)(m)、R2=(0,1,0)(m)、R3=(0,0,1)(m)、
Q1=Q2=Q3=1×10-8(C)のとき、点2の電荷の受ける力を求めよ。
C Bにおいて、点(0,0,0)(m)、点(1,1,1)(m)、点(1,1,0)(m)のそれぞれの点における電界を求めよ。
D Cの電界を図示せよ。
E R1=(1,0,0)(m)、R2=(0,1,0)(m)、R3=(0,0,1)(m)、
Q1=Q2=−Q3=1×10-8(C)のとき、点2の電荷の受ける力を求めよ。
F Eにおいて、電気力線を描け。
解答例
@ 点1の電荷は、点2と点3のそれぞれの電荷により力を受けるので、それぞれの電荷による力を加えればよい。
F=Q1Q2/(4πε0|R1−R2|2)・ (R1−R2)/|R1−R2|+ Q1Q3/(4πε0|R1−R3|2)・ (R1−R3)/|R1−R3|
A 電界は、Q1〜Q3のそれぞれの点電荷が作る電界を加えればよいので、
E=Q1/(4πε0|R−R1|2)・ (R−R1)/|R−R1|+ Q2/(4πε0|R−R2|2)・ (R−R2)/|R−R2|+ Q3/(4πε0|R−R3|2)・ (R−R3)/|R−R3|
B @の表現を参考にして表現すれば、点2の電荷の受ける力F2は、
F2=Q1Q2/(4πε0|R2−R1|2)・ (R2−R1)/|R2−R1|+ Q2Q3/(4πε0|R2−R3|2)・ (R2−R3)/|R2−R3|
座標を代入すれば、
R2−R1=(−1,1,0)
R2−R3=(0,1,−1)
この表現と Q1=Q2=Q3=1×10-8(C) を考慮して、数値に直せば、
1/4πε0=9×109として、
F2=9×10-7/2・(−1,1,0)/21/2
+9×10-7/2・(0,1,−1)/21/2
=9×10-7/23/2・(−1,2,−1)
=(−9×10-7/23/2,9×10-7/21/2,−9×10-7/23/2) (N)
=9/2・31/2×10-7・(−1,2,−1)/61/2 (N)
C 電界を知りたい点の座標を(x,y,z)(=R)(m)とすれば、Aを参考にして
E=90((x−1,y,z)/((x−1)2+y2+z2)3/2
+(x,y−1,z)/(x2+(y−1)2+z2)3/2
+(x,y,z−1)/(x2+y2+(z−1)2)3/2) [N/C]([V/m])
で与えられる。
Dに電界のベクトルと併せて示す。
D 電界は、図中に緑で示す。
R=(0,0,0)のとき、
E
=90(−1,−1,−1)
=(−90,−90,−90)[N/C]([V/m])
=90・31/2(−1,−1,−1)/31/2 [N/C]([V/m])
R=(1,1,1)のとき、
E=90(2,2,2)/23/2
=(90/21/2,90/21/2,90/21/2)[N/C]([V/m])
=90(3/2)1/2(1,1,1)/31/2 [N/C]([V/m])
R=(1,1,0)のとき、
E
=90(1,1,0)+90(1,1,−1)/33/2
=(90(1+3-3/2),90(1+3-3/2),−90・3-3/2))[N/C]([V/m])
E Bと同様に行えばよい。点2の電荷の受ける力F2は、
F2=Q1Q2/(4πε0|R2−R1|2)・ (R2−R1)/|R2−R1|+ Q2Q3/(4πε0|R2−R3|2)・ (R2−R3)/|R2−R3|
座標を代入すれば、
R2−R1=(−1,1,0)
R2−R3=(0,1,−1)
この表現と Q1=Q2=−Q3=1×10-8(C) を考慮して、数値に直せば、
1/4πε0=9×109として、
F2=9×10-7/2・(−1,1,0)/21/2
−9×10-7/2・(0,1,−1)/21/2
=9×10-7/23/2・(−1,0,1)
=(−9×10-7/23/2,0,9×10-7/23/2) (N)
=9/2×10-7・(−1,0,1)/21/2 (N)
F 1130(Nm2/C)あたり、(真空中の1×10-8(c)の電荷あたり、)7本の電気力線で表せば、
U 太さの無視できる無限に長い直線状に均一に線密度λ(C/m)で電荷が分布している。以下の問いに答えよ。
@ 任意の点において、電界はどちらを向いているか。
A 座標を適当に設定して、任意の点における電界を求めよ。
解答例
要点のコーナー 電荷が連続的に分布しているときの電界の計算例 線積分 を参考にする。
V 厚さの無視できる無限に広い板1,2が間隔d(m)で平行にある。ただし、板1には均一に面密度σ1(C/m2)の電荷が、
板2には均一に面密度σ2(C/m2)の電荷がある。また、板2から板1に向かって垂直にz軸を設定し、z軸の原点は板2にあるとする。ほかに必要な座標および座標軸は適当に設定して、以下の問いに答えよ。
@ 板1に分布する電荷による任意の点における電界の大きさと方向を求めよ。
A 板2に分布する電荷による任意の点における電界を求めよ。
B 板1,板2の両方に分布する電荷による任意の点における電界を求めよ。
C d=1(mm)、σ1=σ2=1×10-8(C/m2)のとき、z座標の関数として@〜Bの電界のz軸成分をグラフ化せよ。
D d=1(mm)、σ1=−σ2=1×10-8(C/m2)のとき、z座標の関数として@〜Bの電界のz軸成分をグラフ化せよ。
解答例
@ 要点のコーナー 電荷が連続的に分布しているときの電界の計算例 面積分 を参考にする。
電界は、z軸に平行で、z座標のみで与えられる。
板1は、z=dにあるので、電界を知りたい点の座標をZとすれば、z軸の正の方向に電界をとれば、電界E(Z)は、
E(Z)=σ1/2ε0 (Z>d)
E(Z)=−σ1/2ε0 (Z<d)
一つの式でまとめれば、 E(Z)=σ1/2ε0・(Z−d)/|Z−d|
A @と同様に考えて、
E(Z)=σ2/2ε0 (Z>0)
E(Z)=−σ2/2ε0 (Z<0)
一つの式でまとめれば、 E(Z)=σ2/2ε0・Z/|Z|
B 2枚の板の電荷分布を別々に考えたのが、@,Aであった。
’電界はすべての’点’電荷の作る電界を足せば得られる。’ということを考慮すれば、@とAで得られた電界を加えればいいと言うことが分かる。よって、電界E(Z)は、
E(Z)=σ1/2ε0・(Z−d)/|Z−d|+σ2/2ε0・Z/|Z|
場合分けして表せば、
E(Z)=(σ1+σ2)/2ε0 (Z>d)
E(Z)=(−σ1+σ2)/2ε0 (d>Z>0)
E(Z)=−(σ1+σ2)/2ε0 (0>Z)
C Bにσ1=σ2=1×10-8(C/m2)を代入すれば、
Z>1(mm) E=1130 [N/C]([V/m])
1(mm)>Z>0(mm) E(Z)=0 [N/C]([V/m])
Z<0(mm) E=−1130 [N/C]([V/m])
右の青い線が電界を表す。
D Bにσ1=−σ2=1×10-8(C/m2)を代入すれば、
Z>1(mm) E=0 [N/C]([V/m])
1(mm)>Z>0(mm) E(Z)=−1130 [N/C]([V/m])
Z<0(mm) E=0 [N/C]([V/m])
右の赤い線が電界を表す。